nomadで部屋探しの仲介手数料を節約する

  公開日:2016-06-11

最終更新日:

nomadを使って家探しをしてみた

賃貸物件の仲介手数料は、

家賃の1ヶ月分という慣例があります。


引越しのときにはただでさえ家財の運送代、敷金、礼金など多額のお金がかかります。


それに数万〜数十万円の仲介手数料を上乗せされることが、

引越しコストを大きく押し上げる一要因になっています。


いま私が住んでいる家は、

イタンジ株式会社nomadというサービスを使って内見、契約しました。


この記事では、

nomadのサービス内容を紹介しつつ、

不動産仲介業について考えます。


「仲介手数料=家賃1ヶ月分」という理不尽

これまでの部屋探しといえば、

仲介業者に支払う仲介手数料は家賃の1ヶ月分というのが常識でした。


しかし、

一度冷静になって考えれば、

この料金設定が全く不合理で不透明なものであることがすぐにわかります。


賃貸物件の仲介にかかるコストが、

家賃に比例して高くなる理由とは、

いったい何でしょうか?


仲介業者の仕事から考えてみます。


住む家を探している客が店舗に来たら、

条件にあう物件情報を伝えます。


希望があれば、

内見に同行します。


気に入った物件があれば、

契約手続きを斡旋します。


さて、

これらの仕事の中で、

紹介する物件の家賃が高いほど大変になるものはあるでしょうか?


答えはNOです。


もちろん、

仲介業者の仕事の中には、

借り手から見えないものもたくさんあるのでしょう。


しかし、

家賃に比例して業務の大変さが2倍にも3倍にも増すとは思えません。


月々の家賃が5万円の物件と10万円の物件で、

契約書類の枚数が2倍になるだとか、

そんなことがあるでしょうか?


つまり、

仲介手数料が家賃の1ヶ月分という料金設定には、

納得のできる理由はありません。

 

 

「宅地建物取引業法第46条」の罠

この商慣習が生まれた背景には、

宅地建物取引業法(以下、宅建業法)の第46条があります。


宅建業法には、

仲介手数料の上限は国土交通大臣の告示で定められると書かれています。


それを定めた国土交通省告示第172号という告示には、

「物件を貸す人と借りる人から受け取る報酬の合計は、

 家賃の1.08ヶ月分を上限とし、

 借りる人(or 貸す人)の承諾がなければ、

 借りる人(or 貸す人)から受け取る報酬は、

 家賃の0.54ヶ月分を報酬の上限とする」

という旨が書かれています。


つまり、

本来、仲介手数料は私たちと大家さんとで折半して、

半額ずつ支払うものなのです。


しかし、

実際は物件を借りる側が全額を支払っているケースがほとんどです。


「借りる人の承諾」を仲介業者が得るために、

「報酬xx円(家賃の1ヶ月分)を支払うことを承諾しました」

という一文が、重要事項説明書等にこっそり記載されています。


宅建業法や国交省告示など全く知らない借り手は、

知らない間に、

定められた上限額を超えた報酬額を支払うことに承諾させられているのです。


借りる側としての私たちは、

その理不尽な料金設定を受け入れざるをえないことに、

もっと怒りを感じるべきです。


賃貸仲介業はもっとシンプルでいい

そもそも、

SUUMOHOME’Sなど不動産情報サイトがこれほど増えた今、

賃貸仲介業の存在意義とは何でしょうか?


不動産情報サイトで条件に合った家を探し、

気に入るところがあれば、

管理会社や大家さんに連絡を取って中を見せてもらう。


そうして見た部屋の中から1つを選び、

契約書を交わしに行く。


それだけならば、

本来は賃貸仲介業者というのは必要ないはずです。


街の仲介業者を使って便利になる部分で私が思いつくのは、

内見のときに車を運転してくれるくらいです。


大家との間に立って家賃交渉を積極的にしてくれるという話もあまり聞きません。


肝心の物件提案にしても、

本当に「良い物件」ではなく、

業者の営業上「都合の良い物件」が紹介される可能性は拭いきれません。


よほど部屋探しに自信がない、

特殊な条件なのでプロに相談したいというのでなければ、

高い仲介手数料を支払ってまで仲介業者に幅を利かせる必要はないと考えます。


仲介業者は、内見時の鍵開けと、

契約関係の手続きだけを行い、

その分、仲介手数料が安くならないものでしょうか。


nomadの合理的な料金設定

こうした私の希望を満たしていたお部屋探しサービスは、

探した限りではnomadだけでした。


まず、

nomadは料金設定が非常に明確で納得感があります。


nomadを利用して契約に至るまでにかかるお金は、

月額のサービス利用料、部屋の見学料、契約申し込みの事務手数料、固定の仲介手数料です。


多くの仲介業者では、

内訳がよくわからない高額な仲介手数料を、

契約時にまとめて取られます。


それに対して、

nomadでは利用したサービスの量に応じて支払う金額が変わります。


短期間で契約を決めればその分安くなりますし、

何度も内見をすればその度ごとに見学料を取られます。


また、

仲介手数料は固定で32,400円(2016/7/1時点)であり、

家賃に応じて高くなるということもありません。


かかるコストに応じて料金が決まっており、

理にかなっています。


実は、

nomadはもともと仲介手数料無料のサービスで、

私が利用したのもその時期でした。


当時に比べれば仲介手数料の分、値上がりをしていますが、

それでも契約までに必要な金額は合計で4万円前後です。


よほど安い物件に住むのでなければ、

他の仲介業者を使うよりは安いです。


nomadの料金が安い理由

nomadでは必要のないコストを徹底的に削ることで、

料金を抑えています。


nomadは実店舗を持っておらず、

店舗運営にかかる賃料や人件費を負担する必要がありません。


また、

nomadで予約した内見では、

立会いをしてくれたのは株式会社イタンジから派遣されたアルバイトの女性でした。


お金を払って予約した内見にアルバイトが来ることに、

不満を感じる人もいるでしょうが、

わざわざ正社員が出張ってきて仲介手数料が上がるくらいなら、

アルバイトの方がいいと考えます。


むしろ仲介業者の社員は、

無理に契約を迫ってきたり、

自社が管理する物件を過度に勧めて場合があります。


その点、

nomadのアルバイトは契約が取れても取れなくてもバイト代は変わらないので、

中立的な立場で立ち会ってくれます。


このように、

nomadは過剰サービスを避けることで、

低い料金を実現しています。


Webを使った、オープンな部屋探し体験

nomadはただ安いだけではありません。


Web時代にあるべき賃貸仲介サービスのあり方を追求しているように見えます。


nomadの仕組みで最も便利に感じたのは、

「部屋の持ち込み」ができることです。


部屋の持ち込みとは、

SUUMOやHOME’Sなどの外部の不動産情報サイト上の物件URLをフォームから送ると、

その物件が入居可能かを調べてくれるサービスです。


もし入居可能であれば、

nomad経由で契約することができます。


私も部屋探しの中で、

nomadに47件の物件URLを送り、

その中の1件に入居しました。


街の仲介業者に行くと、

向こうが提示した数少ない物件の中から1つを選ばなければいけません。


nomadなら、

Web上の膨大な物件データから、

最適な部屋を探すことができます。


「おとり物件」というノイズを避ける

nomadの部屋持ち込みサービスには、

部屋の選択肢を増やす以上に、

もう一つの大きな利点があります。


それは、

「おとり物件」を最初から除外できることです。


おとり物件とは、

空室ではないのに不動産情報サイトに掲載されている物件のことです。


仲介業者は、

すでに入居者が決まった物件であっても、

不動産情報サイトに掲載をしておくことで、

その物件を見て連絡してくるユーザーを店舗に引き込むことができます。


つまり、

SUUMOなどの不動産情報サイトに掲載された物件情報が、

本当に空室であるのかは、

実際に仲介業者の店舗に足を運ぶまでわからないのです。


実際、

私がnomadに持ち込んだ47件の物件のうち、

29件が紹介不可の物件でした。


この情報の非対称性も、

借り手である私たちが怒りを覚えるべき理不尽の一つです。


nomadの物件持ち込みサービスを使えば、

物件情報のURLを送信して少し待てば、

それがおとり物件かどうかすぐにわかります。


なお、おとり物件については、

nomadのサイトにも説明があります。

https://nomad-a.jp/checker#intro


nomadを使った部屋探しの仕方

私がnomadを使った部屋探しをどのようにしたか、

簡単に紹介します。


まず、

nomadに部屋探しの条件を登録します。


この条件に合う物件情報をnomadがもっていれば、

随時、画面に追加されていきます。


ただ、

やはり大手不動産情報サイトより情報が少ないのか、

ここから紹介される物件数はあまり多くはありませんでした。


次に、

SUUMOで希望に合う物件を検索し、

そのURLをnomad上の持ち込みフォームからひたすらnomadに送ります。


私が使っていた頃は1日の無料持ち込み上限数が5件だったので、

毎日の通勤電車で1日5件の物件URLを送るのが日課でした。


条件の良い紹介可能物件がたまってきたら、

内見の予約をします。


内見は1回で複数の物件を見ることができ、

現地集合、現地解散です。


nomadから派遣された方が、

鍵の開け閉めをしてくれます。


私のときは、

感じのいい20代のアルバイトの女性が案内してくれました。


内見した中で入居したい物件があれば、

内見中にそれを伝えると、

申し込みに必要な書類を渡してくれます。


その後は、

nomadサイト上のチャット機能でnomadの人とやりとりしながら、

必要書類をFAXなどで送ります。


審査に通ったら、

契約をしに行きます。


私は、

株式会社イタンジのオフィスに呼ばれて、

重要事項説明を受けたあと、

契約書を書きました。


以上がnomadを使った部屋探しのやり方です。


内見する物件を決めるまでがすべてWeb上で完結しているので、

スキマ時間を使って部屋探しができます。


nomadを使うべきではない人

ここまで、

nomadに広告料でも貰っているのかというほど褒めちぎってきましたが、

nomadの利用が向いていない人もいると思います。


ノマドは営業をしない」とnomadのサイトにも書かれている通り、

nomadを使った部屋探しでは、

物件をほぼ自分で探す必要があります。


そのため、

住みたい部屋の条件が固まっておらず、

プロの営業と相談して決めたいという人には適していません。


その場合は、

iettyなど提案型の仲介業者を使う方がいいでしょう。


もちろん、

多くの場合、仲介手数料は家賃1ヶ月分かかります。


仲介手数料無料の物件とは何か

最後に、

よくある疑問に答えます。


「nomadの仲介手数料がいくら低いといっても、

仲介手数料無料が謳われている物件に入居した方が得なのではないか」

というものです。


世の中には、

「仲介手数料無料」の物件というものが存在します。


一見すると、

家賃1ヶ月分である数万円〜数十万円を節約できる素晴らしい物件のように見えます。


しかし、

「仲介手数料無料」には半分の嘘が含まれています。


「仲介手数料無料」を字面のままに捉えれば、

仲介業者は部屋の仲介では1円もお金をもらえないことになります。


それでは、

仲介業者は潰れてしまいます。


前述したように、

仲介手数料とは本来、

借り手と貸し手の双方が払うべきものです。


「仲介手数料無料」とは、

正しくは「貸し手が仲介手数料を全額支払う物件」のことです。


205010_reasonForFree.png


では、

なぜ貸し手は借り手の分の仲介手数料を支払ってくれるか。


その理由は2つあります。


1つ目の理由は、

多少の仲介手数料を支払ってでも、

早く入居者を探したいからです。


例えば、

貸し手が家賃1ヶ月分=5万円の仲介手数料を全額負担したとします。


それにより空室の期間が2ヶ月短くなれば、

貸し手は追加で10万円の家賃収入を得られるので、

全体では得になります。


2つ目の理由は、

貸し手は、仲介手数料分のコストを、

借り手から別の名目で回収できるからです。


貸し手としては、

仲介手数料を負担した分、

何かで補填しなければ儲かりません。


そこで、

貸し手は礼金や家賃の金額を上げることで、

借り手からその分のコストを回収するのです。


つまり、

借り手から見れば、

お金を支払う相手が仲介業者から貸し手に変わっただけということになります。


(参考:【HOME’S】「仲介手数料無し」にはワケがある?手数料無料・仲介手数料無し物件を探る | 住まいのお役立ち情報


もちろん、

貸し手が必ずしも礼金や家賃を上げて仲介手数料を回収しているかどうかはわかりません。


しかしながら、

仲介業者と貸し手が結託すれば、

借り手から様々な名目で数万円単位のお金をむしり取ることができるという構造があるのは事実です。


どうしても初期費用を抑えたいというのでなければ、

借り手と貸し手が支払う仲介手数料の合計金額そのものが安いnomadを利用した方が、

得になるケースが多いでしょう。

旧態依然とした不動産仲介業を変えるために、nomadを使う

上述したように、

家賃に比例して上がる仲介手数料、おとり物件など、

不動産仲介業の慣習には、借り手に不利なものがいくつもあります。


そして、不動産仲介業者が借り手に多くの負担を強いることの背景には、

店舗運営コスト、多額の広告費など、

不動産仲介業の非効率さがあります。


最近では、

こうした非効率さを変えるために、

イタンジiettyなどいくつかのベンチャー企業が果敢に挑戦しています。


nomadに代表されるそれら不動産系ベンチャーのサービスは、

使うのに便利だったり、

料金が割安だったりします。


それに加えて、

借り手である私たちは、

それらのベンチャー企業のサービスを使うことで、

(あるいは旧来の業者のサービスを使わないことで、)

借り手に有利で、かつ効率的な不動産仲介ビジネスを広めるための援助ができます。


より便利で得なサービスを使うことで、

より良い社会の実現に貢献できるというわけです。


私には、

その選択を取らない理由が見当たりません。


あなたも、新居を探すときには、

このことに思いを馳せながら、

どの仲介業者を使うかを考えてみてはいかかでしょうか。

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